前回の「新しい保育のかたち・・・家庭的保育事業」では『わたぼうし』の保育のことを紹介しました。
今回は家庭的保育事業に興味を持った方にも、保育園を探していらっしゃる方のためにも、更に赤川先生にお話を伺ってきました。

 

 

  はじめられたきっかけは・・・

赤川先生:もともと保育を始めたきっかけは、東日本大震災の津波の遺児の関係記事を読み、 仙台の乳児院に思い立って行ったんです。
でも、そういったときに資格がなくて色々なことができませんでした。
それをきっかけに里親の研修を千葉県で受けようと春から学び始めました。
その中で0~3歳、“三つ子の魂百まで”ではないですけど、そこまでの育ちって、
本当に大人になっての人格形成にとても大事なことだと深く考えさせられました。
そして、残りの人生を保育の世界でやっていこうかなと保育士の資格を取り始めたのがきっかけです。
また、そのころ成田市の「ファミリー・サポート・センター」でお子さんを預かっていました。
この家は、縁側もあって庭も広いなと思っており、その子どもたちがこの家や庭で遊んでいる姿や、日向ぼっこしている姿を見て、いずれ保育に携わるにしてもこの家を使ってできないかなぁ…とぼんやり思っていました。

 

赤川先生:子どもって生まれてから家庭で育っていきますよね。
そこから他所に移るだけでもストレスだと思うんです。
一番愛情を注ぐ時期に出来るだけ特定の保育者で、できるだけ緊張しない環境で。
と考えると、毎日同じ保育者がいて、お家という家庭的保育がスタートすることにより、
子どもたちのストレスが軽減され、ゆったりとアットホームにできると思います。
いま現在、できればお家で育てたいけれど、両親共に働かなければならない状況が多いなかで、その選択肢の1つとして、『わたぼうし』が合っているというご家庭もあるかと思います。
うちに通う保護者の方からは、子どもの様子がよく見えることもあって安心して下さっているようです。

 

気にかけていること・・・

赤川先生:(家庭的保育事業としては)0~2歳、2年で終わりですので、 次に他の保育園などへというときに、こちらより人数が多いため、戸惑ってしまうのはかわいそうかなという事もあり、定期的に近隣の保育所などと連携してやっていけたらなと思っています。
2歳くらいになると一緒に遊ばないにしても、そばにお友達がいるだけで社会性の芽生えがあります。
先々大きな保育園などに入ると思いますので、そこのつなぎがうまくできるようにと考え、地区の保育園に定期健診などを連携していただいています。
その他、集団に慣れるきっかけになればと思い、外との交流としてお天気のいい時は公園に行き、一緒に遊ばせてもらってます。
また、我々の保育を客観的に見てもらえるという事がないので、できるだけ他の先生方とお話をさせてもらったり、近隣の保育所でも「いつでも相談してください」とおしゃっていただいたりしていますので、地域と連携して子どもたちの保育をさせて頂いています。

 

 

最後に・・・

赤川先生:最近思いますのが、仕事と育児の両立は本当に大変だと思います。
まして時期でいうと、仕事を覚えて忙しくなった頃に育児という方も多数おられると思います。
この園も半年経ち、子どもたちも慣れて、冗談ですが1日泊っていっても大丈夫なんじゃないかというくらい楽しそうなんですが、夕方お家の方がお迎えに来ると跳び上がって喜ぶんです。
お母さんたち、お父さんたちは外で働かれて大変だけれども、お子さんもお迎えを楽しみに待っているんですよね。
いつもお子さんが楽しく過ごせるように頑張っていますが、お家の方のお迎えにはかなわないんだなと思っています。当たり前なんですがね(笑)
『私達も頑張りますので皆さんもお仕事頑張って下さい。』とささやかながら応援している気持ちです。
こちらでは2歳で他に移ることは決まっているので、大きくなって記憶には残っていなくても、潜在意識の中には残っていてほしいなと思っています。
お預かりしている期間、安心できる場所としてここ『わたぼうし』がなるといいなと思います。

 

 

大きな集団とはまたひと味違う『家庭的保育事業所』。
少ない人数だからできる良さもあり、家の延長のような環境の中、温かなまなざしの保育者の方に見守られ、子どもたちは安心して過ごしている姿が印象的でした。
また、保育園を探されている方の新しい選択肢の一つとして『家庭的保育事業所』があることが多くの方に知ってもらえたらと思います。

先生方ありがとうございました。

 

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わたぼうし

 

by:chiku