ちゅうちゃん家のお正月は暮れのかなり前から始まっています。
元旦最初にいただく干し柿、梅干し、塩こんぶのうち梅干しは6月に仕込み、干し柿は12月に入ると渋柿を剥いて軒先に吊るし、食べごろが年末になるようにします。
干し柿2016

破れた障子の張り替え、
障子張り

仏壇の掃除をする家庭は少ないかもしれませんが、ちゅうちゃん家では年末行事。
どの家庭でもお父さんの役目になっているのは照明器具・玄関・室内・外回りなどの掃除で、ちゅうちゃんにとっては寒い中の荒行に似て「あーやれやれ」とため息が出てきます。
小学生の孫坊主が宿題の書初めを年内に終わらせたいとやってきて、半日指導しながら付き合いました。
正月用の漆器の準備もちゅうちゃんの役目。
祖父の代から引き継いでいる祝い椀、お重、お屠蘇用具、半月盆、そのほか鏡餅台、銘々箸の記名、孫たちのお年玉なども役目です。
大晦日の夕方にはあらかた準備が済み、家族がおせちをお重に詰め終わり、テレビの紅白を待つばかりです。

夜はおせちのおすそ分け
大晦日、圧縮
をいただくのが習わしです。

年越しは京都風のにしんそばと決まっています。
今年の元旦は快晴の夜明けでした。
ちゅうちゃんは何年振りかで近くの公園の小高い丘に行き初日の出を拝みました。
初日の出2017
やはり日本人。
気分は新たになり今年一年の無事息災をお天とうさんにお願いしました。

元旦のお祝いは男が整えるのがちゅうちゃん家の習わしです。
親父がそうしていたので疑いなく引き継いでいます。主婦にとっては嬉しくありがたいのでしょうが、世の男は渋い顔をするかもしれません。
日頃そして特に年末は忙しい女性を労う気持ちを表していて古いながらも粋な習慣です。
とは言いながらお湯を沸かし、前日からほとんど用意されている雑煮を温めお重を食卓に並べる程度、男のメンツを立ててくれているのでしょう。
テレビ台の上には正月だけ見立てた即席の神棚を作り鏡餅、お燈明、お神酒をお供えし拝みます。
重ね餅

次いでご先祖の仏壇にもお燈明、お線香、プチお節膳を供え簡単なお経をあげます。
これで儀式は終わり元旦の祝い膳を始めます。
家主のちゅうちゃんが「明けましたおめでとう、皆さんお祝いな」を発し家族が唱和、まず熱い緑茶をいただき次いで干し柿、梅干し、塩こんぶ
祝い膳
をいただきます。

いわれは判らないのですが親から引き継いだ形式です。
年の若い家族から順に杯を回してちゅうちゃんがお屠蘇を注ぎます。
これ以降はそれぞれがお節を取り分け
お節
お屠蘇を楽しみます。

頃合いをみてお雑煮
お雑煮
をいただきます。

親から引き継いだ京風のお雑煮は、丸餅、半月切りのかぶ、西京味噌(白みそ)、花かつを削り節が定番。
テレビを見たり年賀状を読んで元旦は暮れてゆきます。
中二日は何事もなく過ぎ三日目は2nd roundの元旦です。
娘たちが婿さん、孫たちを連れて里帰り、総勢12人が午前8時ころ集まります。
神棚に参拝、仏壇でお経をあげ全員が線香を供えて第一義の儀式終了。
第二義も元旦とおなじくお屠蘇まで流れてゆきます。
お年玉の交換のあと、11時頃には全員和服に着替えて(ちゅうちゃんは三が日を和服で通します)氏神様に初詣に行きます。
子どもたちは珍しいたき火にあたり、
たき火
鈴をならしてお賽銭をあげ、御神籤をひいて日頃にはない晴れの日を楽しんでいます。

戻ってくると大人はおしゃべりと酒盛り、子どもたちはコマ回しに羽子板と案外クラシックな遊びに興じています。
独楽まわし1
ちゅうちゃん家で継承しているのが花札とマージャンです。
小学に上がる前から教えこんでいます。「まつきりぼうず!」「いのしかちょう!」「あおたん、あかたん」、「いーぺーこー」「たんやお」「りーち」など学校では決して教えない言葉と遊びに夢中になっています。
教育上好ましくない、という恐ろしい声には平気なちゅうちゃんです。
このようにして年末年始が始まり、終わるのが毎年変わらないちゅうちゃん家です。

みなさんは、お正月をどのようにお過ごしですか?